黒micro-SIMをiPhone 5で使う

やっとこさ手に入れました、iPhone 5。
A1429 (GSM) なSIMフリー機です。
今回は白の32GBを選びました。

箱でかくね？と思った方は正解です。
海外仕様の大きい充電器のプラグを箱に収めるため国内仕様より箱が高さが高いです。

輸入業者や転売業者からではなく、自分で海外のApple Storeで注文して友人の帰国のついでに持って帰ってきてもらったので、トータルで1ヶ月以上かかりました。

普段使うにはもちろん、回線が必要なのですが、いかんせんLTE契約は高いです。
LTEじゃなくてiPhone 5を使いたいので、SoftBankのiPhone 4Sで使ってたSIMでどうにか現在の契約のまま使えないかなということで、色々やってみました。
ちなみに、この方法はSIMフリーではない国内仕様のSoftBank iPhone 5でも使えます。

SIMの加工

もちろん、ご存知の通りiPhone 5はnano-SIMを採用しているため、iPhone 4Sのmicro-SIMはSIMカードトレイに収まりません。
というわけで、前に記事に書いた通りSIMカッターを使ってパチンとnano-SIMにしてやりました。
なんか今Amazonを覗くと自分がかったものより良さげなものが安く売ってました。くやしい。

黒SIMならぬ白SIM

しかし、そのままではちょっと分厚くてうまくトレイは収まってもiPhone 5には入りません。
なので240番くらい(もっと細かくても良いかも)の紙ヤスリで裏面、キャリアのロゴが入っている面をガリガリ削って若干薄くしてやります。印刷が若干消えるくらいで良いです。
最後に削りカスを念入りに拭き取り、nano-SIMカードスロットにはめて、iPhone 5にパチンと入れれば無事黒SIMが認識されるはずです。

モバイルデータ通信ができない

さて、コレで終わりかと思いきや、一筋縄には行かないのがSoftBankです。
音声通話とSMSは問題なくできるのですが、3G通信ができません。
あ、当たり前ですが元々iPhone 4S用の契約なのでLTEは元から使えませんよ。

キャリアバンドルの存在

iPhoneでは、Appleと契約を結んでいる公式キャリアのSIMカードが差し込まれた際はiOSに組み込まれているキャリアバンドルというキャリアごとの設定ファイルを読み出しにいきます。ここでキャリアは自分のキャリアに合うようにiPhoneの機能を制限したり解放したり、あらかじめ設定項目を組み込んでおけたりします。もちろん、iPhone 5にもSoftBankのAPNやらが入ったキャリアバンドルが組み込まれています。

ここで厄介なのが、SoftBankはiPhone 5向けにはLTEプランしか提供していないので、iPhone 5向けのSoftBankのキャリアバンドルにはLTE用のAPNしか組み込まれていないことです。私みたいにiPhone 4Sの3G契約のSIMを差し込むとLTE用のAPNに繋ぎにいこうとすると認証の時点で拒否されてしまいます。

というわけで、何らかの方法で3G用のAPNを指定してやる必要があります。
SoftBankのキャリアバンドルではAPNを編集するメニュー自体が無効化されていますし、かといって脱獄もまだできません。

iPhone 構成ユーティリティについて

じゃあどうするかというと、「iPhone 構成ユーティリティ」というApple公式のツールがあります。Appleの公式サイトからMac版と~~Windows版~~が無料でダウンロードできます。

<2015年5月25日追記>
どうやらWindows版はもう配布していないようです。構成ユーティリティが使いたきゃMacを買えってことですかね。現状では他所があげたミラーを使うしかないようです。CNETあたりなら安全かとは思うのですが保証はできません。
「いまさら何を」とか言われそうですが、くれぐれも自己責任でお願いします。

こいつになにができるかというと、「構成プロファイル」と呼ばれるiPhone等のiOSデバイスの設定ファイルを作れます。
SoftBankのiPhoneユーザーならおなじみだと思いますが、i.softbank.jpのメールアドレスやWi-Fiホットスポットの設定をする「一括設定」というものがあります。
実はこれもサーバー側で自動生成された構成プロファイルをダウンロードしてインストールしているに過ぎません。
構成プロファイルでは、一般ではいじれないところの設定や、設定の強制も行えます。
ミソは、構成プロファイルの設定はキャリアバンドルの設定よりも優先されるところです。
APNもここで設定できます。要は構成プロファイルでキャリアバンドルのAPNを上書きしてしまおうということです。

構成プロファイルを作る

<2016年11月23日追記>
iOS 9以降では下記手順で作成した構成プロファイルは使用できなくなりました。
詳細及び対策に関してはこちらの記事をご参照下さい。

まず起動すると、接続中のデバイスと既知のデバイスが表示されます。
iPhone 構成ユーティリティが出た頃にはまだiPhone 5が出ていなかったので、iPhone 5を選んでも？マークしか出ませんが、動作に問題はありません。

左側のライブラリのメニューから「構成プロファイル」を選び、上の「新規」を押してやります。
次にメニューから「一般」を選び以下を入力します。

名前 (iPhoneにはこの名前で表示されます例: SoftBank APN)
識別子 (他とかぶらなければ何でもいいです例: com.3gapn.profile)
説明 (自分にわかりやすいプロファイルの説明を入れてあげましょう)

メニューを下までスクロールしていき、「APN」選択し、以下の通りに入力します。

アクセスポイント名 (APN): smile.world
アクセスポイント・ユーザー名: dna1trop
アクセスポイント・パスワード: so2t3k3m2a

これで、SoftBank 3G用の構成プロファイルができました。

iPhone 5に読み込ませる

作った構成プロファイルをiPhone 5に読み込ませる必要があるのですが、いくつか方法があります。

方法1: メールに添付する (要Wi-Fi)

ウィンドウ上部に「書き出す」というボタンがあるので、ファイルに書き出します。
メールに添付してWi-Fiに繋がったiPhone 5でそのメールを開いてあげます。
添付された構成プロファイルを開くと構成プロファイルをインストールする画面が表示されます。

方法2: iPhone 構成ユーティリティから流し込む (要USB接続)

iPhone 5をUSBケーブルでパソコンにつなげます。
デバイスからiPhone 5を選び、「構成プロファイル」タブを開きます。
作成したプロファイルが表示されているので、横にある「インストール」というボタンを押します。
iPhone 5の画面に構成プロファイルをインストールする画面が表示されます。

インストールの画面まで行ったら、あとはインストールボタンをタップすればOKです。iPhone 5にパスコードを設定している場合はパスコードを聞かれますので、入力してあげましょう。

これで3Gで通信ができるようになりました。
お疲れ様でした。

MMSは？

MMSのAPNも例によってLTE用のものがiPhone 5用のキャリアバンドルで指定されている訳ですが、残念ながら今のところこれを上書きする方法見つかっていません。

ですが、噂によるとSIMフリー機であれば一応方法は無くもないようです。
まだ未検証ですが、噂によると流れはこんな感じ:

非公式キャリアのSIMを刺してAPN設定の画面をiPhone 5上に表示させます。
非公式キャリアのSIMを抜き、SoftBank 黒SIMを入れます。
3G 黒SIM用のAPNとMMS用APNを打ち込みます。
MMSが使えるようになります。

流れが正しいのかどうかはまだ未検証なのでわかりません。
今度検証をしてみて報告します。
検証できました →

どうせ買うならここから

<2012年11月21日キャリアバンドルに関しての説明を追記>
<2015年5月25日 Windows版iPhone構成ユーティリティに関して追記>